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海上コンテナは世界にいくつある?(2016年版)
先日、海上コンテナは世界にいくつある?(2015年版)で、2015年末時点での海上コンテナ数を紹介しましたが、今回は、2016年末の資料を入手しましたので紹介します。
まずは、2016年末の世界の海上コンテナフリートについてですが、Drewryからの年次レポート「Container Census 2017」によれば、下のグラフのとおり、計36,453千TEUとなっており前年比で0.8%の増加となっています。ほぼ、1年遅れの数字であることに注意が必要です。
このため、「ONEコンテナ引き渡しへ」など2017年に製造されたもの又は廃棄されたものは含まれていません。
続いて、所有形態別の海上コンテナフリートです。リースコンテナが前年比7.2%増となっていますが、代わりに船社所有の比率が6.1%減となっており、ほぼ船社所有分がリースコンテナに流れた形となっています。
まず、2017年の状況としては、世界的に好調な荷動きに支えられてコンテナ需要が旺盛でしたが、海上コンテナの9割以上を生産している中国で、環境面の問題からコンテナに使用する塗料を油性から水性に変更することが義務付けられました。結果、2017年4月〜6月の間、中国国内にある各コンテナ製造工場のラインを更新するため生産停止となっており、2016年に製造されたコンテナ300万TEUからは大きく下回りますが、コンテナ製造会社は、この旺盛な需要を享受し好調だったようです。
世界第2位の海上コンテナメーカーで香港上場企業のSingamas Container Holdings Limited(勝獅貨櫃有限公司)は19日、2017年の通期業績見通しを発表、最終損益が前年の5,943.4万米ドルの赤字から4,000万ドル以上の黒字に転換、約1億米ドルの増益になると予想した。
中国で今年4月からの規制変更で新造コンテナに使用する塗料が油性から水性のものへ切り替わりコンテナメーカーが生産設備の更新で1〜2カ月の生産休止を余儀なくされ、コンテナリース会社により投機的発注で新造コンテナの価格が上昇したことや世界的な経済回復でコンテナ荷動きが増加し需要が拡大したことなどが業績の大幅改善に貢献した。(2017年12月21日付けCyber Shipping Guideより)
2018年以降については、2017年の世界的に好調な荷動きの流れを受け船社の業績が回復してきたことや、今後、2万TEU型を始めとする大型コンテナ船が続々と竣工してくることなどから、これまでコンテナ機器への投資を見合わせリース会社からの調達で済ませていた船社も、自社での大量発注に動くのではないかと予想されており、ONEも含めその動きが見られます。
台湾船社のWan Hai Linesは15日、世界最大の海上コンテナメーカーである中国の中集集団(CIMC)とコンテナ1万8,500本を総額5,082万7,000万ドルで新造する契約を締結したと台湾証券取引所(TWSE)に情報開示した。(2017年12月18日付けCyber Shipping Guideより)
リーファー専用コンテナ船を運航するAfrica Express Line(AEL、英国)はA. P. Moller-Maersk(デンマーク)傘下のコンテナメーカー、Maersk Container Industry(MCI)製の冷凍・冷蔵コンテナフリート500本を追加する。
500本は温度のみならず空気組成そのものを調整する機能をもつCAコンテナで、遠隔操作監視(RCM)技術を導入した2017年型の最新Star Coolモデル。MCIの青島工場(中国)で製造、AELが用船した新造コンテナ船、"Mimmi Shulte"(2,345TEU)で西アフリカから欧州向けに新型のStar Cool CAコンテナを積載して欧州向けに輸送する。
AELはフランスのアグリ産業大手、Compagnie Fruitiereの子会社で、欧州・地中海と西アフリカを結ぶ航路でリーファー専用コンテナ船9隻を投入しウイークリーサービスしている一方、MCIはコペンハーゲンにR&D(研究開発)の拠点を置き、青島とチリの工場でコンテナを製造中。(2017年10月5日付けCyber Shipping Guideより)
韓国船社の大韓海運は26日、傘下のSM商船(SM Line)が香港のSingamas(勝獅集団)など2社から644億ウォン(約65億円)で新造コンテナ1万5,931本を購入することを決めたと韓国証券取引所(KRX)に情報開示した。新たな航路開設に備え追加のコンテナフリートを確保するのが狙い。引き渡しは来年5月30日を予定している。(2017年9月27日付けCyber Shipping Guideより)
現在、ドライ貨物用の20フィートコンテナは、2300〜2400ドル程度で、夏場の2100〜2200ドルから上昇傾向にありますが、今後の価格推移を含めて見守っていきたいと考えています。